少年野球選手の肩を守ろう
少年野球選手の肩を守ろう
--今回の記事は過去の記事を編集・再掲しています。--
少年野球選手のケガの中でも多いのが「野球肩」です。
似たものに「野球肘」がありますが、
これらはいずれも肩や肘の腱や筋肉の損傷で、
基本的にはオーバートレーニングによるものです。
少年野球選手の多くは、野球が好きでやっていますから、
多少の痛みは気になりません。
しかし、痛みが気にならないからと言って、
それなら大丈夫ということにはなりません。
むしろ、自覚症状が無いだけで、体の負傷は大きくなり、
気付くとかなり悪化していることも多いです。
野球肩は基本的には安静が最も良い治療方法で、
軽ければ数週間、長ければ3ヶ月以上安静が必要です。
少年期のこの期間は非常に長く感じるもので、
子供たちも焦る気持ちが当然出てきてしまいがちです。
自制心も弱く、また周囲の子たちも知識が無いため、
ついつい誘い合ってムリをすることもしばしばです。
少年野球選手たちの大事な肩を守るためには、
やはりきちんとケガに対する教育をすることです。
おすすめは、雨天時や休憩・ミーティングの時間に、
集まって話をすることです。
野球のことは関心をもって耳を貸しても、
ケガの話などは耳を貸さない子もいます。
家庭内でケガの話をするよりも、
練習の一環として教育する方が頭には入るでしょう。
この時、どういうケガなのかについて教えるだけでなく、
野球肩を防ぐための具体的な方法についても話しましょう。
たとえば、ウォーミングアップをしてから、
強度の高い運動に移行するというのは大事なことです。
子供たちは満足にアップもせずに、思い切り遠投したり、
全力投球をしたりしますが、これは肩や肘に対して、
大きな負担を与えてしまう行為です。
遠距離でのキャッチボールも、少しずつ距離を伸ばし、
投球練習も最初からトップギアではなく、
じっくり入るようにすることを教えてあげましょう。
また、疲れている時はムリをしないことです。
肩や肘の調子が悪いと感じたら、指導者に話しましょう。
当然、それが言える雰囲気が無ければなりません。
少年野球選手は指導者の私物ではありませんから、
ムリを押して練習をさせることはできませんし、
そんなことがあってはなりません。
ケガは指導者にも責任がありますから、
選手たちの教育も含め、しっかり管理するべきです。
家庭では、食事や睡眠によって健康な体作りを助け、
自主練の際にはムリをしないように言い聞かせましょう。
肩を守ることは、野球選手としての時間を守ることで、
練習をして成長する機会を守ることです。
本人、指導者、家庭で連携して大事な肩を守りましょう。