中学硬式野球事情:「習い事」としての野球
中学硬式野球事情:「習い事」としての野球
--今回の記事は過去の記事を編集・再掲しています。--
中学硬式野球の事情として、
「習い事」として野球をしている側面があるそうです。
これは私がとある進学塾の先生から聞いた話ですが、実は
「東大に入る高校生よりも
甲子園に出場する高校生の方が少なく、貴重」
なのだそうです。
「共感はできませんが、納得はできるという大人の事情がある」
と言っていました。
それは、
「スポーツができる子であれば徹底的に『習い事』をさせた方が
将来しっかりと稼げる子になる」
という考えがあるそうなのです。
中学では多くの場合、軟式野球が行われますが、
あえて中学硬式野球をさせる親の中には
そういう考えをする方もいるそうです。
一般にエリートと言われる弁護士やお医者さんになれば
年収1000〜2000万円くらいもらえます。
そのために中学高校と進学校に入り、塾に通い、
浪人するなら予備校にも行かせてあげる、
そして大学も行かせ、国家試験に受かるまで惜しみなく協力します。
本人の努力はもちろん、親や周囲からも
相当の投資が行われているのは間違いありません。
同じ考え方をするなら、ずっと競争相手も少なく、投資額も少なく、
それでいてプロ野球選手にもなれば
年棒がもしかしたら数千万円、一億にもなるかもしれない。
その方が成功できそうだという考えもできるのです。
プロにはなれなかったとしても、体育会系の人を
企業はありがたがる風潮がありますから、食いっぱぐれることもない。
そういう考えから、芽が出そうだと思ったら
徹底的に野球をさせるというのです。
習い事だと考えれば、チームの月謝も道具代も、
時々野球教室に通わせたり遠征したりするのも
全部将来のための教育費です。
進学塾でも月謝のほかにテキストも買う必要がありますし、
泊り込みで合宿するところもあれば、
模試やら何やら出費は尽きないものです。
良いのか悪いのかわかりませんが、なるほどと思いました。
特に中学から硬式野球を志向する場合は、高校での野球の強豪校、
そしてプロなどを目指している場合も多いですから、
より早く良い環境で硬式野球をさせることは
メリットになるのは間違いありません。
私は考えが古いので
「そんな先のことまで考えて野球させなくても」と思いますが、
旧帝大や医学部にまで子供を進学させた親たちは
それなりに計画的に早い時期から考えているという話はよく聞きます。
その方向が野球に向いただけなのかもしれません。
ただ、子供たちは
そんな「将来のための習い事」のつもりで野球をしていません。
こうした考え方の違いが、親子喧嘩の火種にならないかと思うと、
野球関係者として心配で仕方ありません。