少年野球指導と言葉のかけ方
少年野球指導と言葉のかけ方
少年野球に関わり、特に指導などをされる方は、
ぜひ言葉のかけ方に気をつけてほしいと思います。
その言葉のかけ方ひとつで、選手の伸びは違ってくるのです。
まず、少年野球では選手たちを楽しませてあげることが
野球を続けさせ、レベルを高めるためには必要です。
厳しい練習に耐えられるようになるのは、
体がきつくても野球がうまくなりたいと思えてからです。
ましてや体ができていないうちから、
正しいとしても厳しいだけの練習ではついていけません。
野球が楽しい、うまくなりたいと思えてからが、
少年野球選手が本格的に野球に取り組む時です。
それまでは、楽しませることを意識しながら声かけや、
練習内容などを考えるようにしてあげてください。
そして、選手に接する上で大事なこととして、
「選手にはみんな才能がある」と信じてあげてください。
「この子はダメだ」と思いながら教えるとダメになり、
「この子は伸びる」と思いながら教えると本当に伸びます。
指導者が信じてあげるかどうかは、
少年野球選手たちにもしっかり伝わっています。
自分を信じられるようになった子たちは、
自主的に積極的に練習して伸びていきますが、
自分を信じられなくなってくると言われたことだけをします。
どういう意識で接してあげるかで子供たちは変わります。
「お前ならできる」といつも励ましてあげましょう。
指導者はダブルバインドにならないように注意してください。
ダブルバインドというのは、心理学の用語で、
矛盾した命令によって相手にストレスをかけてしまうものです。
少年野球でよくあるダブルバインドに、
「どんどんバット振っていけ!」
「ちゃんとボール見ろ!」
という命令があります。
バットを振っていけと言われたから積極的にスイングしたのに、
その結果ボールを見ろと怒られてしまうのです。
こうした指示や指導の仕方をすると、子供たちは
どうしたらいいのかわからずに葛藤しストレスになります。
もちろん、指導者としては意図があって言ったことで、
思っていたように選手が動いていないこともあります。
しかし、矛盾した指示が続いてしまうと、
選手たちが言葉の裏を勝手に考え始めてしまい、
指導者を怖がってしまう原因になってしまいます。
名将と言われ、指導者として長く続けているような人は、
スタッフを含め、指導方法が一貫しているために
ダブルバインドは生じにくいですが、
指導者として経験が浅い人は指導方針がよく変わります。
変わるのが悪いわけではないですが、
きちんと意図を説明しないとダブルバインドを生じやすいので
くれぐれも注意してください。
少年野球指導では言葉のかけ方がとても大切なのです。