ピッチングフォームを安定させるために
ピッチングフォームを安定させるために
--今回の記事は過去の記事を編集・再掲しています。--
ピッチングフォームを安定させるために、
あえて大きなカーブを投げさせてみることも必要
中学になると練習の合間などに、
「誰が投げたカーブが、一番曲がるか」を競っていることがあります。
コントロールは悪いけど、大きく曲がる子、
キュッとキレよく曲がる子、
高めに浮いてそれほど曲がらない子……
さまざまですが、大きく縦に割れるカーブだけは、
少年のうちにその感覚を覚えておいたほうがいいでしょう。
このようなカーブをプロの世界で投げているのは、
横浜DeNAの三浦大輔投手、
2014年の日本シリーズで活躍したソフトバンクの武田翔太投手の
名前が出てくるくらいで、後はあまりいないのが現状です。
今は子どもたちの肩やひじを考えて、
小学生の変化球はすべて禁止になっていますが、
変化球だから全部の球種が負担が大きいというわけではありません。
おかしな身体の使い方をしたり、無理な投げ方をしたり、
動きが正しく連動しないような乱れたピッチングフォームで
投げ続けていると、肩やひじに大きな負担がかかってしまいます。
この場合、もっとも負担の大きな球種はというと、
実はストレートなのです。
なぜなら一番力を入れて、思い切り腕を振る球種だから。
それに対して、大きく縦に割れるカーブは、
手首のひねりは必要としません。
肩に一種の“タメ”を作って投げるので、
いいフォーム、いい肩の使い方ができていないと、
投げられないボールなのです。
プロのピッチャーでも、
「ストレートは身体に負担がかかるので、投げていて疲れる。
反対に変化球は投げていてラクだ」と聞きます。
「変化球のほうが子どもの身体に危険だ」というのは
はたして本当でしょうか?
正しい投げ方ができる少年の変化球と、
おかしな投げ方をしている子どものストレートと、
どちらが身体に負担をかけているかと聞かれれば、
おのずと答えはわかるものです。
カーブは力を入れて投げても曲がりません。
それどころか、力を入れすぎると変化せずに高めに浮いたり、
曲がりが大きいものの、ホームベース手前でワンバウンドしたりと、
コントロールができなくなってしまいます。
まさに「リズム」と「バランス」、「タイミング」が必要とされるのです。
肩をなめらかに回して、一瞬のタメを作って力を抜き、
タイミングよく腕を振りぬかないと、コントロールよく曲がってくれません。
ところがストレートはフォームが乱れていても、
力を思い切り入れれば、投げることができます。
けれども、おかしなフォームで投げているので、
たった1球投げただけで故障してしまうことだってあり得るのです。
「変化球は負担が大きい」のは、すべての球種に当てはまることではない
ということを、指導者は知っておいたほうがよいでしょう。
【関連エントリー】
– 少年野球のボールの握り方の基本 | Count 23 blog
– 少年野球の投手と野手 | Count 23 blog
– よくない投球フォームの影響 | Count 23 blog
– 野球のピッチングフォームは同じではない | Count 23 blog