「上げてから叱る」少年野球の指導術
「上げてから叱る」少年野球の指導術
いろんなアドバイスの仕方がありますが、
少年野球やその他のスポーツにおいて、強いチームの指導者ほど、
アドバイスが非常に上手だなと思います。
そうした指導者に見られる傾向としては、
「上げて叱る」というアドバイスの方法を取るということです。
私も昔、名門横浜高校の野球部OBというコーチにしごかれましたが、
私は省エネタイプというか、何事も要領よくやりたいタイプで、
そのために本気を出していないと周囲に見られがちでした。
ある時、そのコーチに個人的に呼び出されて言われたのですが、
「お前は影響力があるから、ちゃんとしないといけない」
と言われたのです。
要は「マジメにやれ」なのですが、接頭語が大事ですね。
「影響力がある」。
この一言に、理由はともかくとして妙な期待感や、
自分の存在意義というか、立ち居地を理解したのでした。
それで、心を入れ替えて、多少わかりやすく「熱心に」、
練習やプレーに取り組んだ記憶があります。
単純ですね。まったく。
こういう褒め方をするのが、一流の指導者であり、
そして一流の指導者に指導を受けた人たちだと思います。
一流に学ぶ人は、一流に近いことができるようになります。
これは子供たちにとっても、その後の人格形成や、
友達作りなどの際に非常に重要なことです。
「マジメにやれ」は誰でも言えます。
しかし、叱られていることは当然わかりますが、
そこには期待のかけらも感じられず、
またマジメにやっているにも関わらず伝わってないなら、
かえって反発を招いてしまいます。
だからこそ、「上げて」から「叱る」のです。
「勉強しなさい」ではなくて、
「アンタは10分勉強するだけで5点上がるんだから勉強して」
の方が子供たちはやるのです。
きれいな言葉で叱るより、この文法が大事です。
少年野球でも、
「ボール球に手を出すな」
ではなく、
「お前なら見えるはずだ。ボール球には手を出すな」
と指示した方が、選手も自分の選球眼を信じられます。
こうしたアドバイスの仕方を、是非皆さん意識してください。