中学野球と変化球
中学野球と変化球
--今回の記事は過去の記事を編集・再掲しています。--
少年野球も中学生になると、変化球が使用可能になります。
これは投手にも打者にも大きな影響を与える要素です。
打者からすると、変化球への対応は苦心するところで、
相手の配球をより考える必要が出てくる他、
ボールをしっかり見る選球眼が大事になります。
体の発育上も、球速も大きく上がってくる時期で、
一方で動体視力はそれほど伸びず、
ボールが早く見えてくる時期だけに、
さらに変化球が加わると対処は難しくなります。
中学野球における変化球対策の基本は、
スイングスピードを上げることと、
バッティングのタイミングをコントロールすること、
この二点と言っても良いでしょう。
スイングスピードが上がれば見る余裕が生まれますし、
タイミングをコントロールすることによって、
緩い変化球に対しても対応力がついていきます。
一方の投手としては、変化球が投げられることは、
非常に嬉しいことであることが多いです。
特に、直球に自信がない投手にとっては、
カウントをコントロールする有効な手段です。
しかしながら、中学生というのは、
体の発育段階でもあり、その時点での変化球は、
まだまだ体に良くないということは知っておくべきです。
今は変化球の握りやコツなど、情報があふれていて、
やろうと思えば、10種類ほど投げられる子もいるそうです。
変化球を投げるのが趣味なら止めませんが、
変化球を投げる目的は、「打たれないため」です。
たとえ様々に曲がったとしても、
それがカウントを作ることに繋がらない、
コントロールが悪い、
変化が小さくすぐに対応される、
フォームを見てすぐに悟られる、
そういった変化球は全然使えません。
プロでも、投手が実戦で使える球種は多くて4~5種類です。
2~3種類投げられれば充分というところです。
中学生の時期は、変化球の種類の数よりも、
使える変化球をひとつでもしっかり身につけるべきです。
投手にオススメの変化球をひとつ挙げるなら、
チェンジアップです。
この球は、回転数が少なくなるために、
ボールの速度が落ち、軌道も山なりになる球です。
スローボールと言われることもあります。
個人のクセなどにより、自然に変化するので、
同じ種類でも個性が見えるボールです。
何が良いかというと、握りを変えるだけで、
腕の振りや肘のひねりなどが不要なため、
体にかかる負担が小さいのです。
また、緩急をコントロールするためにも使えるので、
相手のタイミングをずらすために有効です。
チェンジアップが良い理由は、これが使えると、
他の球種を覚えたときにその威力が倍増します。
何を身につけたら良いか悩んだら、
まずはチェンジアップを覚えてみると良いでしょう。
強いチームは変化球への対応が良く、
また上手に変化球を利用しています。
中学野球を見る際には、こうした変化球を意識すると、
また違った見方ができて面白いですよ。