少年野球選手とグラウンドまでの距離
少年野球選手とグラウンドまでの距離
--今回の記事は過去の記事を編集・再掲しています。--
大人になればあまり気にならないことでも、
子供のうちはけっこう気になることがあります。
個人的な経験から言えば、グラウンドまでの距離は大事です。
多くの場合、学校などの運動場を借してもらって練習しますが、
学校まで遠い子と、近い子にはハンデがあると思っています。
練習時間によっては、一度帰宅してから行くでしょうが、
その際に体力と時間が使われてしまいますから、
それだけハンデになるのです。
ハンデになるというのは、ひとつはパフォーマンスです。
特に低学年になるほど、移動に時間と体力を必要とします。
疲れた状態で練習に臨めば、最初は問題ありませんが、
時間の経過と共に、集中力の低下や、動きの質の低下が目立ち、
監督やコーチに充分なパフォーマンスを見せられません。
こういうことが蓄積して評価を落とす、
そういうケースは多々あると思っています。
また、これが一番の問題だと個人的に思っていますが、
移動のために体力や時間を奪われてしまい、
自主的な練習をする時間が無くなることです。
練習が終わっても、時間制限のないグラウンドであれば、
暗くなるまでそこで遊んだり練習する子は多いです。
家とは違って広大なグラウンドだからこそできる、
そういう練習は遠投やノックなど色々あります。
そういった練習をする機会が、家が遠い子ほど、
少なくなる傾向があるのは間違いありません。
そして、帰宅しても暗くなっていたり、遅い時間なら、
それ以上、家で練習などをすることもできないでしょう。
それが体力や技術の差となっていくのは当然です。
チームワークやチームメイトとの関係にも影響します。
特殊な時間を一緒に過ごした仲間は尊いものです。
一緒に居残り練習を頑張る子たちはたいてい仲良しです。
また、時には練習の参加度合いにも影響することになり、
少しずつの差が蓄積して大きな差になることもあるでしょう。
そういう意味で、練習上までの距離が遠い、
これは大きなハンデだと感じるのです。
門限に厳しいご家庭なら尚更それが大きくなるでしょう。
家が遠いのは、必ずしもハンデではないという見方もあります。
練習した後に帰りが一緒になれば仲良くなりますし、
普段から長距離の移動を重ねれば体力もつきます。
そういう面は確かにありますが、
これはスポーツにおけるチームワークや体力とは別物です。
毎日ジョギングで移動したり、
アップダウンのある道のりであれば別ですが、
平地を歩いて移動する分にはたいした違いはないでしょう。
そうでなければ、体育の成績がいい子は、
みんな家の遠い子ですが、そんなことはまずありません。
家が近くても、それだけ活動しなければ、
それだけの運動能力にしかなりませんから、
最終的には運動量や運動の質が大事になるのですが、
運動量はともかく、質を高めるためには、
それに適した環境が必要だと思っています。
近所に公園があって、同年代の友達がいて、
一緒にいつも走り回って遊んだりスポーツできるような、
そういう環境が理想的だと思っています。
こういったハンデを少しでも埋めるためには、
保護者の方々も頑張るしかありません。
そのための行動のひとつが「送り迎え」です。
送り迎えの目的は、子供の安全を守ることが第一ですが、
もうひとつ、子供の時間を守ることもあります。
少しでも少年野球選手たちが、良い時間を過ごせるよう、
そのためのバックアップをしてあげることです。
帰宅するための体力を考えれば、
どこかで練習中に手を抜くこともあるでしょう。
逆に頑張りすぎて疲れきったときに、
だんだん日が落ちて暗くなってきたときは、
気持ちも不安ですし、門限も気になり怖いものです。
特に秋から冬は日が落ちるのも早くなりますので注意が必要です。
そういった手抜きや不安を少しでも軽減できる、
それは保護者や周囲の大人にしかできないことです。
保護者の方々も夕食の準備など様々家事もあり、
お風呂や洗濯ものの片付けなどすべきことは多いです。
親世代は子育ての他にも忙しいほどは山ほどあり、
わかっていても実践するのは簡単ではありません。
それでも、子供の過ごす時間の量や質についても、
少しだけ目を向けてあげてください。
グラウンドまでの距離があるご家庭なら、
週に1回でも月に1回でも、送り迎えをしてあげてください。
それはきっと子供の成長で返ってきます。
子供たちも感謝して、
少年野球をより頑張ってくれるでしょう。