打率が1割変わると得点はどうなる?
打率が1割変わると得点はどうなる?
今日は少し難しい数字の話をしたいと思っています。
学生で読んでいる人は、結論だけ見た方が良いかもしれません。
打率が1割変わるとどのくらい変わるか、
これを少し考えてみましょう。
チーム打率.250のチームがあるとします。
4人に1人がヒットを打つというチームです。
この時、1つのイニングで、三者凡退になるのは、
0.75×0.75×0.75 = 0.4218…
となり、約42%となります。
これは数字でいえば、9イニング中、4イニングは、
三者凡退に終わってしまうということになります。
少年野球では、2塁ランナーがワンヒットで本塁に
戻ってくることはそれほど多くないため、
1点取るために必要なヒット数を3本とします。
すると、1イニングで3本のヒットが必要となります。
この後の計算は書くだけややこしいので省きます。
ヒットが1本だけ出る確率は25%です。
ヒットが2本出る確率は、15%です。
ヒットが3本出る確率は、6.5%です。
ヒットだけで1点取れる確率が、わずか6.5%。
これでは9イニングで1点も期待できません。
チーム打率が.350に1割上がると、
状況はかなり変わります。
三者凡退する確率は、約27.5%にまで下がります。
イニングごとにヒットが出る確率は、
ヒット1本の確率が35%、
ヒット2本の確率が20.2%
ヒット3本の確率が11.8%。
9イニングで1点は期待できるようになりました。
さて、ここまで見てきてわかると思いますが、
チーム打率が1割上がると、ヒット数はかなり出ますが、
それでも得点ではあまり違いがありません。
得点を増やすためには、これに加えて四球や盗塁、
また長打、隙をついての走塁が重要になるのです。
ですから、バッティング練習ばかりしていても、
チームの得点力はそこまで上がりません。
大事なことは「進塁すること」です。
どうやったら進塁できるかを考えるのが攻撃なのです。
得点力アップのためには、
進塁を中心に野球を考えてみてください。